FIRE実現のための投資-不動産編|不動産投資の3つの魅力と注意点


FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指すためのツールとして、不動産は魅力的な選択肢となり得ると思う。

私自身、FIRE生活が達成できているのは不動産投資からの家賃収入のおかげによる部分が大きい。

FIREとは、経済的に独立したライフスタイルを目指すので、給料以外の収入が必要となる。

定期的な現金収入を得られる投資手法は不動産投資の他に、株の配当や債券の利息などが一般的なのだが、その中でも不動産投資は魅力的な点が多い。

なぜ不動産投資が良いのか?

この記事では、不動産投資ならではの魅力と注意点についてお話する。

■不動産投資とは?

不動産投資とは、不動産を購入し、それを賃貸または売却することで収益を得る投資方法のこと。

大きく分けると以下2つの形態がある。

❶インカムゲイン投資

購入した不動産を賃貸に出し、毎月の家賃収入を得る方法。いわゆる不労所得が得られる。

アパートや一戸建て住宅などが対象となる。

❷キャピタルゲイン投資

不動産を購入し、その価値が上昇した時点で売却して利益を得る方法。

市場の動向や地域の発展状況が投資の成否に影響する。

インカムゲインとキャピタルゲインについては以下の記事にまとめているので参考にしてほしい。

■不動産投資の3つの魅力

 投資なので当然リスクはあるが、取り組んでみる価値があるのは何故か?

 FIREを目指すためのツールとしての不動産投資の魅力について説明してみたいと思う。

・家賃収入が賃貸契約に基づいて入ってくる安心感

・家賃収入は市場の影響を受けにくい

・投資家側が利益を生むたの工夫する余地がある

❶家賃収入が賃貸契約に基づいて入ってくる安心感

私は、『不動産は投資と言うよりも不動産賃貸業の経営である』と考えている。

 先ず住居向けの不動産賃貸は需要が固いと言える。景気が悪いから住む家は要らないと言う人は少ないだろう。

入居者との賃貸契約をベースにお金が生まれるので、この観点において投資ではない。

通常のビジネスにおける初期投資部分として不動産への投資が必要となる。

通常2年契約で、一度契約すると基本的に毎月家賃が振り込まれる。

いわゆるサブスクリプション契約であり、入居者が定期的に賃料を支払うため、借主に安定した収益をもたらす。

ただし、「家賃が適正である」、「住環境が良い」といった入居者のニーズに答えることが大事だ。

株や債券などの証券投資とは違い、お客様(入居者)のニーズに合ったソリューション(住居)を提供することが要求される。ビジネスそのものだ。

❷市場の影響を受けにくい

株や債券といった金融資産の値動きは、世界経済環境の影響を受けやすい。

最近で言うと、20022年のような下げ相場では、ほとんどの場合資産は減少していただろう。

このような世界的不況に陥ると、株価が戻るまでに数年かかることもある。ちなみにリーマンショックからの回復は5年弱かかっている。

一方、不動産市況も動くことは動くが、金融市場よりボラティリティは少ない。

また売却の際には、売主と買主の個別の商談なので価格交渉の余地がある。

さらに不動産から入ってくる家賃収入は、突然来月から半分になったりしないところが大きな魅力だろう。

家賃は世界経済の状況や株式相場の下落局面でも影響を受けにくい。

実際に私の不動産運用では、世界中の経済が混乱したコロナ渦でもダメージは非常に少なかった。

❸投資家側が利益を生むための工夫をする余地がある

 不動産では、物件選びの失敗が比較的少ない。

 株式の場合、インデックス銘柄でも個別銘柄でも銘柄を選んだ後は、基本的に市場の動きに任せることになる。そのため銘柄選びは非常に重要だ。

 これに対して不動産の場合は賃貸業経営と言う側面が大きいので、物件を選んだ後でもリフォームで物件価値を上げて家賃収入を上げたり、入居者の募集条件を変更して入居率を上げたりするといった、利益を出すための工夫が出来る。

 つまり投資の成否に対して、投資家が手を加えられる余地があるのだ。立地を間違えなければ大きく損するケースは少ない。

 逆に言えば、立地を間違えると苦労する。人口減少中の日本において、不動産の立地条件は非常に重要だ。

■不動産投資を始める際の注意点

不動産投資の良い面を挙げてきたが、当然難しい点も存在する。

 ・まとまった資金が必要

 ・ビジネスセンスが問われる

 ・運営の為の必要経費が掛かる

こちらの点についてもお話しておきたいと思う。

❶まとまった資金が必要

株式投資は少ない資金で始められるが、不動産投資にはある程度まとまったお金が必要となる。

フルローン活用などで初期費用を抑える方法もあるが、それはそれでノウハウが必要となってくる。経験を重ねつつ情報収集に励む必要がある。

❷ビジネスセンスが問われる

不動産の家賃収入は、不動産を買っただけでは発生しない。入居者が決まって始めて発生する。

つまり不動産賃貸業を経営しないといけないため、入居者を見つける等の経営手腕が問われる。その為のコミュニケーション能力が必要となる。 

❸運営の為の必要経費が掛かる

不動産は投資というよりも経営なので、必要経費が掛かる。

例えば定期的に必要な費用として『固定資産税(都市計画税…市街化区域内の不動産のみ 固定資産税に追加で掛かる税金)』『賃貸管理費』などがある。

他にも一時的に掛かってくる費用として、『修繕費用』『入退室時の諸費用』などがある。

不動産投資とは、実態は不動産賃貸業である点にについては以下の記事にまとめているので参考にしてほしい。

■まとめ

不動産投資はFIRE実現の為のツールとして優れていると思う。

ただし、自分に合うかどうか?は検討しなければならない。

株式投資であれば、パソコンやスマホがあればひとりでも実施可能だ。

一方で不動産投資には物件を買うにしても、入居者を見つけるにしても、基本的に対面での交渉が必要となる。

つまりコミュニケーション能力が問われる場面が多々あると認識して欲しい。

『不動産は投資と言うよりも不動産賃貸業の経営である』と言う特性を理解すると成功する確率は上がると思う。

経済的な自立を目指すのであれば、投資は重要な役割を果たす。

不動産に限る必要はないが、自分に合ったツールを見つけて使いこなせるようになれば道が開ける。

著者 上岡健司

株式会社ユリウス 代表取締役 

IT企業の会社員として30年勤務した後、早期退職を利用してサラリーマンを卒業。会社員時代には、アジア地域3ヵ国に10年以上駐在。在職中にロバートキヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読み感銘を受ける。経済的自由の大切さに目覚め、不動産投資を開始し、約10年掛けて経済的自由を獲得。不動産投資で経済的自由を獲得後、資産運用の一つとして証券投資にも取り組み資産運用の幅を広げている。在職中から税制面など、より効率的な資産運用を目的に資産管理会社を設立。このサイトでは、自身のFIRE実践者としての経験に基づいた情報を発信している。

AFP(日本ファイナンシャルプランナー協会認定)、宅地建物取引士資格合格

著書

『令和のサラリーマンの為のFIREのススメ』(Amazon電子書籍)

『FIRE Recommendation for Office Employee』(Amazon Kindle)

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