FIRE実現の為の投資-債券投資編|債券とは?債券投資のメリット・デメリットを知り定期的な現金収入を狙う方法

前回、今のキャッシュフローを狙って投資する方法のひとつとして「株式投資」という方法をご紹介した。

今回も同じく定期的な現金収入を狙う投資法のひとつをご紹介したい。

それは「債券投資」だ。

債券を購入することで、一般的に銀行預金よりも金利が高い利子を受け取ることができるため、金利収入と言う不労所得が得られる。

そのため、経済的に自立したい人にとって債券投資はポートフォリオへの組み入れを検討しても良いツールだと思う。

今回はこの「債券投資」という投資方法について、概要や特徴、そしてメリット・デメリットを解説していく。

■債券投資とは?押さえておきたい3つの特徴

まず債券とは、国や企業が資金を調達するために発行する有価証券で、投資家に対して定期的な利息(クーポン)を支払い、満期時に元本を返還する約束を伴うものだ。

一般的に、債券は利子が定期的に支払われるため、安定運用を好む人に向いている。

債券投資の特徴は主に以下の3点。

 ・収益が安定している

 ・リスク分散に使える

・債券価格は主に金利の動向が影響する

❶収益が安定している

債券の魅力の一つは、定期的な利息(クーポン)が支払われること。

特に固定利付債は、一定額の利息が定期的に支払われるため、収益の安定性を求める投資家に適している。

❷リスク分散に使える

債券は株式などのリスク資産と異なるリスク特性を持つため、ポートフォリオのリスク分散に役立つ。

債券と株式の関係は一般的に「逆相関」と言われることがあるが、これは状況による。

例えば、金利が低下すると、債券の価格が上昇する一方で、株式市場には資金が流れ込み株価が上昇する傾向がある。しかし、これが常に成立するわけではないことには留意が必要。

❸債券価格は主に金利の動向が影響する

債券価格と金利は逆の動きをする。

金利が以前より上昇すれば、債券価格は下落し、金利が以前より下落すれば、債券価格は上昇する。

債券価格は金利と密接に関係しているため、市場金利の動向に注意しておくことが大切となる。

■債券投資のメリット|安定運用で将来の資金計画が立てやすい

債券投資のメリットは主に以下の3点。

・債券は資産運用の計画を立てやすい

・発行体が破綻しなければ投資元本が返還される

・債券は途中で売却して収益を得られる

定期的な安定収入が得られるため、キャッシュフローが安定するのは魅力ではないだろうか。

3つのメリットについては以下で解説していく。

❶債券は資産運用の計画を立てやすい

債券の利息(クーポン)は定期的なキャッシュフローをもたらすため、将来の資金計画を立てることが出来る。

また、債券は満期日が決まっているため、元本の返済予定を見通せる点でも計画的な運用に向いている。

例えば、引退後の生活費を確保する目的で債券ポートフォリオを組むことは選択肢としては考えられる。

❷発行体が破綻しなければ投資元本が返還される

債券は、基本的には発行体(企業や政府など)が満期時に元本を返還することを約束しているため、

発行体が破綻しなければ、投資家は元本を回収できる。

❸債券は途中で売却して収益を得られる

債券は満期まで保有するだけでなく、市場で売却して収益を得ることも可能。

債券の価格は市場環境、特に金利の動向や発行体の信用状況などに影響を受けて、価格が上下する

為、購入時の価格と売却時の価格の差で利益を狙える。

例えば、金利が低下すると既存の債券(より高いクーポン率を持つ債券)の価値が上がるため、高値で売却できるチャンスがある。

一方で、金利が上昇すると債券価格が下がり、売却で損失が出る可能性もあるため、市場全体の動きを観察することが大切。

このように、債券は「利息収入」(インカムゲイン)だけでなく「価格差益」(キャピタルゲイン)でも収益を上げることができる。

インカムゲインとキャピタルゲインについては以下の記事にまとめているので参考にしてほしい。

■債券投資のデメリット|4つのリスクを理解した上での投資がおすすめ

安定運用が実現しやすい債券投資だが、デメリットとして以下4つのリスクがある事も念頭に置いておきたい。

・価格変動リスク

・信用リスク

・流動性リスク

・為替変動リスク

株価や為替の変動が激しい昨今では予測し難い部分も多々あるため、これらのリスクを加味した上で、投資する企業や時期、金額などを決定する必要がある。

❶価格変動リスク

債券は市場金利の影響を受けて価格変動する。

債券が値上がりしたときに売却できれば利益になるが、債券価格低下のタイミングで売却すると損失が出てしまう可能性がある。

❷信用リスク

債券の発行体が利息支払いや元本返済などの債務を履行できない可能性のことを指す。

債券投資で国や団体、会社にお金を貸しても破綻すると利払いも受けられなくなり、貸したお金も返してもらえない可能性がある。

❸流動性リスク

債券は市場で売却可能だが、実際は需要がなければ手放すことは難しい。

売りたくても買いたい人がいないことにより、売却できないという流動性リスクがある。

➍為替変動リスク

外貨が関係する外国債券の場合は為替レートの影響を受ける。

為替レートの影響を受けて損失を出す可能性がある。

■まとめ

私自身は、現物債券(米国社債)と米国債券ETFをポートフォリオに組み込んでいる。

実際に運用する上でメリットと感じているのは以下2点だ。

・定期的な現金収入

・ポートフォリオの分散

このブログで何度も述べているが、不労所得(インカムゲイン)は経済的自立(自分で働かなくてもよい様にキャッシュフローを生む資産を持つこと)には必須である。

その上で、債券投資による定期的な現金収入がある事は大きな助けになっている。

また、外貨の資産形成という点でも役立っている。

株式との逆相関については、株価が下がった時の気休めにはなる時がある程度。

保有する前とのギャップについて言うと、想定以上にボラティリティが高いと感じる。

特に、私の場合は長期債を保有しているので金利の影響を受けやすい。

価格の変動を好まない人には、留意点としておきたい。

著者 上岡健司

株式会社ユリウス 代表取締役 

IT企業の会社員として30年勤務した後、早期退職を利用してサラリーマンを卒業。会社員時代には、アジア地域3ヵ国に10年以上駐在。在職中にロバートキヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読み感銘を受ける。経済的自由の大切さに目覚め、不動産投資を開始し、約10年掛けて経済的自由を獲得。不動産投資で経済的自由を獲得後、資産運用の一つとして証券投資にも取り組み資産運用の幅を広げている。在職中から税制面など、より効率的な資産運用を目的に資産管理会社を設立。このサイトでは、自身のFIRE実践者としての経験に基づいた情報を発信している。

AFP(日本ファイナンシャルプランナー協会認定)、宅地建物取引士資格合格

著書

『令和のサラリーマンの為のFIREのススメ』(Amazon電子書籍)

『FIRE Recommendation for Office Employee』(Amazon Kindle)

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