投資?副業?会社に100%依存しない生き方を目指すために始めたい3つのこと

終身雇用制度は、従業員を定年まで雇用し続ける日本独自の制度。この制度のもとでは、企業が倒産しない限り、従業員は解雇される心配が少なく、安定した収入を得られるという安心感がある。

だが近年では、経済状況の変化やグローバル化の影響で、終身雇用制度を見直す企業が増えており、終身雇用制度の変化は、多くの人々にとって大きな転換点となっている。

かつては一つの企業で定年まで働くことが一般的だったが、現在ではキャリアの多様化や転職が増加している。

終身雇用が終わったことは確かに大きな変化だが、新しいライフプランを検討するチャンスでもあると思う。

この記事では、新しいライフプランを検討する上で色んな選択肢があるなかで、会社に100%依存しない生き方について具体的な方法も交えながら紹介したいと思う。

■会社に頼ることは危険な時代?考え得る3つのリスク

終身雇用制度の在り方が変化している現代において、生活費の原資を会社だけ、つまり給与だけに頼ることは、以下のようなリスクが考えられる。

❶雇用の不安定性

終身雇用制度を見直す企業が増えており、今後もこの制度は減少していく事が容易に想像できる。

その為、会社の経営状況や市場の変動により、突然のリストラや解雇のリスクが高まるだろう。

年齢が上がるほど、そのリスクは高くなる傾向にあり、今後もこの傾向が変化する可能性は低い。

❷キャリアの停滞

日本では一つの会社に長く勤めることが至極当然のことであった。

しかし1社で長く務めることは、スキルや経験が特定の分野に偏ってしまうことにも繋がり、いざ転職をと考えた際に、他の会社/職場での適応が難しくなる可能性がある。

❸経済的リスク

会社に100%依存する事は収入源が一つに限られている状態という事。そのため、所属している会社の経営状況に個人の生活が大きく依存することになってしまう。

■会社に100%依存しない生き方のために検討すべき3つの方法

多くのサラリーマンの場合、仕事=会社となっている場合が多く、会社に属していること自体がお金を稼ぐことそのものになっているケースが多いと思う。かつて私もそうであった。

かつてのように会社に頼れない時代になった今、所属している会社が全てでは適切なライフプランを設計出来ない。

しかし、所属している会社に100%依存しない生き方というのは、具体的に何をすべきなのだろうか。

ここでは以下の3つの方法を紹介していきたい。

  • 副業やフリーランスの検討
  • 転職
  • 投資や資産運用

❶副業やフリーランスの検討

会社の仕事以外に、副業やフリーランスの仕事を始めることで、収入源を多様化することができる。

最近は、副業を許可する企業が増えてきている。これは、サラリーマンが多様なスキルを身につけたり、収入を増やしたりするための良いことだと思う。

副業を持つことで、会社の収入に依存しすぎない生活の実現可能性が広がる。

フリーランスとして働くことは、企業に雇用されずに自分自身で仕事を請け負う働き方を指す。

自分のスケジュールに合わせて仕事を選び、働く時間や場所を自由に決めることができるので柔軟な働き方が出来るし、固定給の仕事よりも高い収入を得る可能性がある。

半面、仕事の量やクライアントの状況により、収入が不安定になることも考えられるので、いきなりサラリーマンを辞めて始めるのはハードルが高いかと思う。

ただ特定の分野で専門知識やスキルを持っている場合には、検討の価値があるだろう。

いきなり大きなリスクを取らずに、サラリーマンとして働いて生活を安定させながら副業で始めてみてはどうだろうか。

❷転職

今の仕事やキャリアを活かしての転職も十分に考えられるし、異なる業界や職種に転職することを検討することも、今の会社に100%依存しない生き方を模索する方法。

今話題になっているリスキリングは、職業能力の再開発や再教育を指す。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)に対応するために、新たなスキルや知識を習得することに注目が集まっている。

新しいスキルや知識を習得することで、異なる業界や職種への転職も可能になる。今の会社に縛られないキャリアパスを築くことができる。

❸投資や資産運用

投資や資産運用を通じて、会社の給与以外の収入を得ることが出来る。お金がお金を生んでくれるので、自分自身が働かなくとも生活出来る。

今の会社に100%依存しない生き方を実現できる可能性は十分にある。

株式、不動産、投資信託など、さまざまな投資手段の中から、自分に合ったやり方を見つける事が大事。

参考記事:インフレ時代に手取りを増やす方法とは?

■始める前に知っておきたい!副業・転職・投資それぞれの注意点

前の章で会社に100%依存しない生き方を3つ紹介したが、私は全ての方法を経験済みである。

経験者の私が実感した、それぞれの方法について注意しておいた方が良い点について実例を含めて挙げておく。

❶副業やフリーランス

自分自身が働かなくても、お金が入るような仕組み作りを最初から頭に入れておくことが重要である。そうでないとサラリーマンとの兼業が成立しない。

分かりやすく言うと、ラーメン屋を始めて、自分でラーメンを茹でなくてもビジネスが回る仕組みを作ること。

私の経験でいうと、不動産を買って賃貸に回すやり方だ。賃貸業自体は、最初に始めたサラリーマン時代から完全にアウトソースしている。

不動産投資とは、実態は不動産賃貸業のオーナーになることだ。

❷転職

転職は、会社(働く場所)を変えることなので、元々のリスクを回避することにはならない。

雇用の不安定性や会社の経営状況に依存する経済的リスクを取ったままである。

新しい会社での人間関係構築のストレスは、以前のままかそれ以上になる可能性がある。

私自身は、転職先が身売りしてその後の方向転換を余儀なくされた経験がある。

❸投資や資産運用

投資や資産運用は様々な方法があるが、資産価値がマイナスになる可能性は十分にあり得るということを事前に理解しておく必要がある。

また、自身の年齢や現状などによって、投資や資産運用の方法にも向き不向きがある為、『話題だから』、『政府が推進しているから』などの理由で大して調べもせずに始めないよう注意してほしい。

例えば現在流行っている積立NISAだが、これは私の観点で見れば、リスク付きの貯蓄に見える。

長期にわたって積立投資を行うことを推奨しており、『20年~30年後の仕事を辞める退職後に向けて、今から積み立てておけばお金は増えているだろう』という投資手法。

市場の成長を期待しながら、リスクを分散させ、時間をかけてリターンを得ることを目指すやり方だ。

政府が積極的に推進しようとしているが、リスクが無い投資は世の中には無いことを理解するべき。

ただし、悪い投資方法だとは思わない。100%ではないが一定の有効性、再現性はあると思う。

つまり積立投資の場合、ある程度の期間、資産価値がマイナスになる可能性は十分にあり得るという事。

それを理解して積立投資をする分には、問題は無い。

今働いている会社からの、ある程度の雇用期間継続を信頼している若い人には向いている。

今の会社での生活に将来の不安を抱いている中高年には、向いていないと思う。

近い未来に会社を辞めたり、会社が倒産したりするリスクには備えが十分ではない。

毎月のキャッシュフロー最大化をメインの目的にしていなので、給料がなくなると生活できない。

■まとめ

この記事では会社に100%依存しない生き方について具体的な3つの方法について解説した。

3つの方法のうちの一つだけ選ぶのではなく、投資で資産を増やしながら転職も試みるなど組み合わせて活用することも出来る。

私もそうやって最終的にFIREを達成した。

会社からの給料100%に頼る生き方は危険であることに共感できたら、出来るところから始めてみることをお勧めする。

会社に100%依存しない生き方を実現するには、小さく始めて、試行錯誤するしか道は無いからだ。

著者 上岡健司

株式会社ユリウス 代表取締役 

IT企業の会社員として30年勤務した後、早期退職を利用してサラリーマンを卒業。会社員時代には、アジア地域3ヵ国に10年以上駐在。在職中にロバートキヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読み感銘を受ける。経済的自由の大切さに目覚め、不動産投資を開始し、約10年掛けて経済的自由を獲得。不動産投資で経済的自由を獲得後、資産運用の一つとして証券投資にも取り組み資産運用の幅を広げている。在職中から税制面など、より効率的な資産運用を目的に資産管理会社を設立。このサイトでは、自身のFIRE実践者としての経験に基づいた情報を発信している。

AFP(日本ファイナンシャルプランナー協会認定)、宅地建物取引士資格合格

著書

『令和のサラリーマンの為のFIREのススメ』(Amazon電子書籍)

『FIRE Recommendation for Office Employee』(Amazon Kindle)


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