海外移住に新しい選択肢!ディアルライフ(二拠点生活)をおすすめしたい理由|要点・メリット・デメリット
FIRE後の海外移住を調べていて「デュアルライフ(二拠点生活)」という言葉にたどり着く人も多い。
デュアルライフとは海外と日本の両方に拠点を置いて生活することを指し、今注目されている移住方法のひとつだ。
二拠点を行き来するというのは移動の時間や費用など、あらゆる面においてデメリットの方が多いようにも見えるのだが、なぜ今このライフスタイルが注目されているのだろうか。
この記事では、なぜデュアルライフ(二拠点生活)が魅力的なのかを深掘りし、私なりにメリットとデメリットもまとめてみた。

デュアルライフ(二拠点生活)とは
デュアルライフ(二拠点生活)とは、都市と地方、国内と海外など、異なる2つの場所に生活の拠点を持ち、行き来しながら暮らすライフスタイルである。
日本国内でのデュアルライフの場合、仕事の拠点を都市部に置きながら、週末は地方にある別宅で過ごすようなスタイルが一般的だ。地方の別宅で自然に囲まれながらゆとりある時間を過ごして心身がリフレッシュすることで、仕事のパフォーマンス向上やストレス緩和に繋がると注目されている。
国内と海外の2拠点生活においては、数か月おきに行き来するような方法が一般的で、場所を問わず仕事ができるような職業の方やリタイア済みの方を中心に注目度が上がってきている生活スタイルである。
デュアルライフ(二拠点生活)のメリット
私が考えるデュアルライフのメリットは以下の3点だ。
- 心身のリフレッシュ
- あらゆる場面でリスク分散ができる
- 新たなつながりや価値観に出会える
今回は海外移住におけるデュアルライフについてというトピックスなので、国内での話は置いておいて、海外生活において上記メリットの内容について解説していきたい。
心身のリフレッシュ
海外と日本の2拠点生活は、環境の切り替えによって心身をリフレッシュできる点が大きな魅力だ。
リモートワークができる方であれば、定期的に作業環境を変えることでパフォーマンスの向上やストレスの低減が期待できるだろう。加えて、海外という刺激的で新鮮な環境は仕事における新たな発想を生み出してくれる可能性もある。
また、気候の違いを活かして日本が寒い季節は温暖な国で過ごすなど、体調管理の面でもプラスに働くことが期待できる。
あらゆる場面でリスク分散ができる
海外と日本に生活拠点を持つことで、あらゆる面でリスク分散が可能になる。例えば、経済情勢や物価変動、自然災害などだ。
具体的には、日本が円安でも海外での収入や資産を持っていれば影響を抑えることができるし、逆もまた然り。金利の高い国であれば、日本ではできない新たな資産運用方法にトライできる可能性もある。
医療や生活環境の選択肢を広げることで、万が一の際にも安心して暮らせる基盤を確保できるのも魅力だ。
国や地域をまたいで生きることは、将来の不確実性に備えるための有効な手段と言える。
新たなつながりや価値観に出会える
海外と日本を行き来する暮らしでは、多様な文化や人々との出会いが日常になる。
現地の人々や日本人コミュニティ、異業種の仲間との交流を通じて、新たな価値観や生き方に触れることが出来るだろう。
短期的な海外旅行では現地で人脈を広げる事は難しいが、中長期的な滞在を繰り返すことで、自然と現地に根を張る人々との交遊関係も広がっていくものだ。
異なる考え方を理解し受け入れることで柔軟な発想や国際感覚が自然と身につき、現地での経験から新しいビジネスのヒントやキャリアの可能性が生まれることもある。
人とのつながりが広がることで自分の世界も広がり、人生そのものがより豊かで多面的なものになることが期待できる。
デュアルライフ(二拠点生活)のデメリット
次に私の考えるデュアルライフのデメリットだ。
- 移動や維持にかかるコストが高い
- 生活や手続きの管理が複雑になる
- 孤独感や生活リズムの乱れが生じやすい
上記3点をデメリットと認識し、移住の計画や資産形成を行うことが重要となる。
移動や維持にかかるコストが高い
海外と日本の2拠点生活では、航空券代や保険、ビザの手続きなど、経済的な負担が大きくなる。
それだけでなく、どちらの拠点にも生活インフラを整える必要があり、光熱費や通信費、家財の管理なども二重に発生してしまう。
ライフスタイルとしての自由度は高いものの、現実的には計画的な資金管理が求められるのだ。
また、長距離移動が頻繁になることで移動時間のロスや身体的な疲労も加わってしまうことも念頭に置いておきたい。
生活や手続きの管理が複雑になる
2つの国に拠点を持つことで、住所登録、税金、保険、銀行口座、通信契約など、手続きが煩雑になりがちだ。
特に海外では言語や制度の違いから、行政手続きやトラブル対応に時間がかかることもある。
また、荷物や郵便物の管理、住まいのメンテナンスなども課題となり、長期で不在にする拠点の管理方法を考える必要も出てくる。
生活が広がる分、管理の負担も増えるため、サポート体制を整えておくことが重要な課題となるだろう。
孤独感や生活リズムの乱れが生じやすい
2拠点を行き来する生活は一見華やかに見えるが、どちらの場所でも「一時的な滞在者」としての立場になりがちだ。
友人関係やコミュニティが安定しにくく、孤独を感じることも出てくるだろう。
日本での拠点が住み慣れた街である場合はそこまで不安視する必要はないが、縁もゆかりもない異国で積極的に交友関係を広げるバイタリティがあるかどうかは自身に問うておきたい。
また、移動によって生活リズムが乱れやすく、時差や気候の違いが体調に影響を与えることもある。特に長期的に続ける場合は、拠点ごとに自分の居場所や人間関係をどう築くかが重要になる。
精神的な安定を保つ工夫が求められる点は、見落とされがちなデメリットと言える。
どんな人が向いている?後悔しない為にしっておきたいポイント
海外と日本の2拠点生活が向いているのは、以下のような人だろう。
- 柔軟な発想を持っている人
- 環境の変化やトラブルを前向きに楽しめる人
- しっかりとした金銭的・時間的余裕がある人
異文化や新しい環境に適応する力や計画性、自立心がある人ほど、このライフスタイルを充実させやすいと考える。
一方で、金銭的・時間的な余裕がない場合や、拠点を維持すること自体がストレスになる人には負担が大きく感じられるのではないだろうか。
後悔しないためには、「なぜ2拠点生活をするのか」という目的を明確にし、理想と現実のバランスを考えることが大切。まずは短期滞在やお試し移住から始めて、自分に合うリズムや拠点の組み合わせを見極めることをおすすめしたい。
まとめ
今回は海外移住の新しい選択肢として注目されているデュアルライフ(二拠点生活)について解説した。
個人的には将来的に目指したい海外移住の形だが、リモートワークで成り立つ職業の方やFIRE済みの方などでない限りなかなか難しいだろう。
メリット・デメリットを理解した上で、デュアルライフをおこなうにはどのような資産形成を行っていくのが最善なのかを見極める必要がある。
また、働きながら複数に拠点を持って生活をしたい方の場合は、どのようなキャリアを築くべきか、何のスキルを身に着けるべきかなどをしっかり考えた方が良さそうだ。
著者 石田由希(いしだ・ゆうき)
タイ在住ライター
2017年に念願のタイ移住を果たし、現地の日系人材会社で営業兼キャリアコンサルタントの職務に従事。
ライターとしての活動は2019年より開始し、主にタイの暮らしや海外移住に役立つ情報を国内外のメディアで発信中。自身の移住経験を基に、これから海外移住する方が後悔しないためのリアルな情報発信をモットーに、日々執筆をおこなっている。
これまで寄稿したメディアはタイ関連にとどまらず、国内外の旅行関連、地方自治体、食品メーカー、教育機関など多岐に渡る。