FIRE実現のための投資-配当株編|株式投資を使って定期的な現金収入を狙ってみよう!

FIRE実現のための投資に焦点を充てると、どうしてもリタイア後に備えた資産形成目的の投資に目が行きがちだ。しかし、FIREへ向けた投資をおこなう過程では、定期的な現金収入を狙う為の投資にも目を向ける必要がある。

そこで今回解説したいのはこの“定期的な現金収入を狙う為の投資“である「配当株投資」だ。

株式投資を実践して、たとえ運よく株価が上がっていても利益確定していなければ、つまり含み益のままであれば、コンビニでパン1個買えない。

経済的な自立を目指すのであれば、定期的な現金収入は欠かせないのである。

また、たとえ経済的に完全な自立が出来ていなくても、会社から受け取る給料以外に定期的な現金収入があるのは魅力的ではないだろうか。

子供の教育などお金が掛かることが多い現役世代にとっては、生活費の足しや投資の元手にもなり得るだろう。

シニア世代にとっても、退職後の年金不足を軽減できるだろうし、昨今のような物価高でも少しは余裕が生まれることが期待できる。

サラリーマン退職後に仕事からの収入が減ったり、無くなったりした後での物価高/インフレに対して、株や不動産などのインフレに強いと言われる資産を持つのは心強い。

今回は配当株への投資とはどのような投資方法なのかと、そのメリットやデメリットについて触れてみたい。

■配当株投資とは?配当金の利回りが比較的安定している株に投資すること

配当株投資とは、配当金を定期的に受け取ることを目的に、株式を購入して保有する投資方法のことである。

この投資方法では、財務基盤が安定しており、長期にわたって安定した配当を提供してきた企業の株式がターゲットとなる。

ターゲット企業の株式を長期保有する事で継続的な配当収益が得られる事や、株価上昇時のキャピタルゲイン(売却益)が期待できることも魅力だ。

株式を購入する企業を選ぶ際のポイントも含め、以下でメリットを紹介していく。

■配当株投資のメリット|長期的に株を保有することで生まれる3つのメリット

 配当株投資の主なメリットは以下の3点。

・継続して配当収益が得られる

・株価が上昇した場合、キャピタルゲイン(売却益)も期待できる

・配当金を再投資することで複利の力を活用し、資産を増やすことができる

 それぞれのメリットについて詳しく解説していく。

❶継続して配当収益が得られる

配当を継続して受け取ることで、定期的な収益を得ることができる。

そのためには、安定した配当を提供する企業の株を選ぶことが大切なポイントと言える。

購入する企業を選ぶ際には、「現在業績が良く、今後も増収増益が見込める企業」であるのはもちろんだが、

「会社方針として配当金を減額せず、維持または増額する方針を掲げている企業」を選ぶのが良いだろう。

例えば、日本では以下のような企業が累進増配を宣言している。

・三菱商事: 中期経営戦略において累進配当を継続する方針を掲げている。

・東京海上ホールディングス: 中期経営計画で累進配当を継続する意向を示している。

❷株価が上昇した場合、キャピタルゲイン(売却益)も期待できる

株式市場は短期的には変動するが、長期的には上昇傾向を見せることが多い。そのため、価格の成長によるリットを享受する可能性がある。

そういう意味で「現在業績が良く、今後も増収増益が見込める企業」は株価が上昇する可能性がある。

❸配当金を再投資することで複利の力を活用し、資産を増やすことができる

 配当金(インカムゲイン)は一般的に資産の売却益(キャピタルゲイン)と比べて収益性が低い場合が多い。

だが、長期的に投資によって得られた配当金を再投資し続けることで、ゆっくりだが確実に経済的自立を実現していける。

最初は少額の収益だったとしても、コツコツと長期的に続けながら再投資を繰り返すことで、FIRE後や定年退職後にも定期的な収益を得ることが出来るため、興味があるのであれば少ない投資額でも良いから早めに始めておいた方が良い。

インカムゲインとキャピタルゲインについては以下の記事にまとめているので参考にしてほしい。

■配当株投資のデメリット|リスクを理解し、企業の分析をおこなう

メリットだけを読むとオイシいような気がする配当株投資だが、始める前にデメリットも理解しておいてほしい。

私が配当株投資においてデメリットだと思うのは以下の2点だ。

・必ずしも高利回りの配当が保証されているわけではない

・株価の変動リスクを伴う

それぞれのデメリットとリスクヘッジの方法について解説していこう。

❶必ずしも高利回りの配当が保証されているわけではない

たとえ高配当株であっても、減配や無配のリスクはつきもの。投資後に減配へ方針変更をされてしまったり、財務状況の悪化により株価が下落してしまったりする可能性は避けられないことを理解しておこう。

そのため、投資前には企業の財務状況や将来性を分析することが重要。

メリットでも伝えた通り、その会社の配当方針も事前に確認した上で、投資するか否かの判断をする必要がある。 

❷株価の変動リスクを伴う

配当金(インカムゲイン)の獲得を狙って投資していても、株価の変動と無縁ではいられない。

市場は、我々の思惑とは関係なく動くからだ。たとえ売却益が要らないと言ったところで無駄だ。

株式市場全体が下落している時など、株を購入するタイミングを慎重に見極める必要がある。

■まとめ

FIREを実現し、経済的な自立を目指すためには、定期的なキャッシュフローが見込めるインカムゲイン投資をマスターするのは必須だ。

この記事では、その中の一つである配当株への投資方法を紹介してみた。

私は、『早くお金持ちになること』よりも『長くお金持ちでいること』を心掛けている。

一旦お金持ちになれば、ずっとお金持ちでいられるからだ。

分岐点は、生活費を不労所得で賄えるようになる時だ。

それまでは、給料など投資以外の収入源も大事にしてきた。つまり、会社員として頑張ってきたつもりだ。

投資で短い期間に大きく儲けようとするとどうしてもリスクが高くなる。

インカムゲインを産む資産を、時間を掛けて大きくしていくことが肝要だ。

 『インカムゲイン(不労所得)+複利』こそが、経済的な自立への王道だと言える。

 


著者 上岡健司

株式会社ユリウス 代表取締役 

IT企業の会社員として30年勤務した後、早期退職を利用してサラリーマンを卒業。会社員時代には、アジア地域3ヵ国に10年以上駐在。在職中にロバートキヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』を読み感銘を受ける。経済的自由の大切さに目覚め、不動産投資を開始し、約10年掛けて経済的自由を獲得。不動産投資で経済的自由を獲得後、資産運用の一つとして証券投資にも取り組み資産運用の幅を広げている。在職中から税制面など、より効率的な資産運用を目的に資産管理会社を設立。このサイトでは、自身のFIRE実践者としての経験に基づいた情報を発信している。

AFP(日本ファイナンシャルプランナー協会認定)資格取得、宅地建物取引士資格合格

著書

『令和のサラリーマンの為のFIREのススメ』(Amazon電子書籍)

『FIRE Recommendation for Office Employee』(Amazon Kindle)

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