【ベトナム・ホーチミン】ドンコイ通りの両替所に学ぶ「資本主義ハック」:ディールで決まる世界のリアルと無限の富の泉
サブタイトル:与えられた数字を鵜呑みにするな――会社員から、自ら取引を生み出すビジネスオーナーへと転身するための究極ガイド

1. 東洋のパリと熱気あふれるストリート
ホーチミン市の中心部、ドンコイ通り。かつて「東洋のパリ」と称されたこの街は、美しい西洋風の建築物が立ち並ぶ一方で、アジア特有の熱気と喧騒に包まれている。街を歩けば、バイクタクシーの運転手が「乗らないか?」と声をかけてくる。日本人と見るや特定のバイクメーカーの名前で呼びかけてくるのは、昔も今も変わらない現地の愛嬌だ。
道路に目を向けると、そこは瞬発力を要するスポーツの舞台のようである。信号があって無いような感覚に陥るほど、バイクや車が縦横無尽に走り抜ける。たとえ歩行者用の信号を守って歩き出しても、バイクが平然と信号を無視して突っ込んでくる。ここで信じられるのは自分のみであり、安全を信号機などのシステムに完全に任せてはいけない。昔に比べてバイクの数は減ったものの、その分だけ自動車が増え、道路も広くなっている。
粗削りではあるが、強烈な勢いを感じる。道端の小さな椅子に座ってくつろぐ人々の姿も健在であり、彼らの表情からは、成長を続ける街に生きる確かな自信が伝わってくる。これぞ躍動するアジアのリアルだ。

2. 両替所で見落とした「交渉」の余地
ホーチミンへ出張で降り立ったチー太とレイチの二人は、当座の現地資金を調達するため、ドンコイ通りにある街中の両替所へと向かった。
海外における両替には、暗黙の掟が存在する。一般的に、日本の出発空港、現地のホテル、現地の空港内の両替所、そして街中の両替所という順に、右へ行くほど変換レートは良くなる傾向がある。
チー太はこれまでの経験から、「街中の両替所であれば、レートは十分に良いはずだ」と高を括っていた。
電光掲示板に表示されたレートを見て、何の疑いも持たずに日本円をベトナムドンに換金し、自分の賢明な選択に満足して帰ろうとした。
しかし、その直後である。チー太の後ろに並んでいた白人の観光客が、窓口の担当者に向かって為替レートの交渉を始めたのだ。「もう少し良いレートにならないか?」と堂々とディール(取引)を持ちかけるその姿を目の当たりにして、チー太は自身の甘さを痛感した。掲示されている数字は絶対的な正解ではなく、あくまで交渉のスタートラインに過ぎなかったのである。

3. 与えられた数字を疑え:本物の資産家が持つドクトリン
この両替所での出来事は、資本主義社会を生き抜くための重要なドクトリンを示唆している。
サラリーマンとして生きていると、世の中のルールや数字は「上から与えられるもの」として無意識に受け入れてしまう。仕事の役割も、毎月の給料も、組織の中で決定された絶対の基準だと思い込みがちだ。
チー太が両替所の掲示レートをそのまま受け入れたように、多くの人は「見たいと欲する現実しか見ていない」のである。
しかし、資産家やビジネスオーナーの思考(OS)は全く異なる。彼らにとって、投資やビジネスにおける価格や条件は、交渉次第でどのようにも変わる「ディール」の世界である。不動産投資において、チラシに載っている利回りがそのまま真実ではないように、仕入れ値もキャッシュフローも自らの裁量と交渉で決定づけるものだ。
「本物の資産」、すなわち自分のポケットにキャッシュを入れてくれる資産を築き、長くお金持ちでいるためには、与えられた常識を疑う必要がある。インフレ時代において、ただ銀行にお金を預けて祈るのではなく、自らの意思で資金を移動させ、状況に応じてツールを柔軟に変えていく。既存のシステムに盲従するのではなく、時にはアウトロー(異端児)として自らルールを創り出す姿勢こそが、無限の富の泉を枯らさないための絶対条件なのである。
4. ビジネスオーナーへの道も日々の自動化から
「なるほど。街の小さな両替所からでも、資本主義の真髄を学べるんだな。表示されたレートを鵜呑みにせず、ディールを持ちかける。僕も与えられた数字で満足するサラリーマン思考を捨てて、人生のあらゆる場面で交渉できる資産家になるぞ!」
アジアの熱気の中で新たな投資ドクトリンに開眼し、チー太は目を輝かせる。
しかしその直後、チー太のスマートフォンが鳴る。日本にいる上司からの緊急の連絡だ。
「悪いが、明日の朝までにこの経費データを全部システムに入力しておいてくれ。レート計算も間違えるなよ!」
「ええっ!?今からベトナムで、この膨大な手入力を!?ディールどころか、今日のフォーも食べに行けないよ!」と頭を抱えるチー太。
レイチは、喧騒の中で優雅にベトナムコーヒーを傾けながら、冷たく言い放つ。
「ビジネスオーナーになりたいなら、まずはその末端の単純作業から抜け出す仕組みを作りなさい。AIやプログラムを使って自動化のディールを自分自身と結ぶのよ。人生にタダ働きと言うものは無いわ。Keep Going」

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■著者プロフィール
著者:上岡 健司
AFP(日本ファイナンシャルプランナー協会認定)、宅地建物取引士資格合格
株式会社ユリウス代表取締役タイ・ベトナムなどアジア3カ国で10年以上の企業経営経験を持つ投資家・メディアオーナー。自社での不動産・金融資産運用を実践しながら、資本主義の構造を活用したライフスタイルを発信中。著書多数。
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