AI時代の勝負運をハックせよ ➔東郷元帥の「強運」と決断の要件定義

原宿の「匂い」と異国情緒

何十年か振りに原宿駅に立ち寄った。正直、ここは日本か?と目を疑った。

匂いが外国(特に西洋諸国)へ来た匂いがするのである。私の西洋文化への原体験は、大学時代にホームステイを経験させてくれたアメリカである。その時と同じ、はじめて海外へ着いた時と同じ匂いがした。

JR原宿駅は旧駅舎跡地の開発工事中だった。まだこれ以上に変化するのか?が正直な感想だ。

「Beyond Stations構想」によって刻々と姿を変える原宿駅。変化し続ける街のエネルギーに圧倒されながら、私はふと「自分はついていけるだろうか?」という、期待と不安が入り混じった微かな震えを覚えた。

竹下通りの喧噪と聖域の静寂

竹下通りは、もう喧噪そのもの。入口には、沢山の外国人が並んで(というか入口を塞いで)、写真を撮っている。ごった返している中、私もその中にちゃっかり入って写真を撮った。

新しくオープンした犬カフェ??なるものや、サンリオのキャラクター(キティちゃんですね)が飾ってあるお店が原宿らしいなと思いながら、人込みの中を進んでいった。ほんの2~3分歩いただろうか?やたらと流行っているクレープ屋さんを左折すると東郷神社への入口が見えて来た。一歩鳥居をくぐれば、原宿のノイズは嘘のように消され、凛とした静寂が支配する。ここは日本かと思わせる雑多な入交りからの急激な変化に一瞬別の場所にワープしたのかと思った。竹下通りとは、正反対の静けさ、荘厳さを感じる。

東郷神社は、ホレーショ・ネルソン、ジョン・ポール・ジョーンズと共に「世界三大提督」として知られ、日露戦争での勝利により日本の海軍の名声を高めた、日露戦争の英雄である東郷平八郎元帥を祀っている。“勝利の神様”として知られており、勝ち運パワースポットとして人気がある。私も、更なるビジネスの成功(大勝利)を祈願して、お祈りしてきた。

「強運」という究極の才能

私が東郷平八郎元帥に惹かれる理由は、その軍功もさることながら、彼が持つ「強運」という側面にある。

なにせ読んだのが大学生の時だったので、うる覚えだが、司馬遼太郎作の「坂の上の雲」に出てくる記述がある。“日露戦争の折、明治天皇より「なぜ東郷を選んだのか」と問われた海軍大臣の山本権兵衛は、「東郷はまことに運のいい男だからであります」と答えたという。”

投資においても、この「運」という要素は無視できない。いくらデータ分析を行っても、底値をピンポイントで狙うのは不可能である。私自身、昨年4月のトランプ関税を引き金とした株価暴落の際、上手くエントリーすることが出来た。だがそれは、“運が良かったから”と言う側面は否めない。

だからこそ、投資には絶対が無いからこそ、相場へエントリーする際には、3回に分けてエントリーすることにしているし、銘柄も分けてリスクヘッジすることは怠らない。

また当時、世界最高と言われていたバルチック艦隊を相手に捨て身の戦法に出た度胸も痺れるものがある。

NHKのドラマ「坂の上の雲」の中で、渡哲也演じる東郷平八郎が、この作成の実施を指示するシーンがあるが、涙が出る。日本海海戦当日まで、あの有名な東郷ターン(T字戦法)は、採用しない方針だったと言う。

しかし、「本日天気晴朗なれども浪高し」の打電が示すような天候の変化など想定外の事態に遭遇したため、作戦を変更した。この時の東郷の決断が運命を決した。彼の「強運」が歴史を動かしたと言ってもいい。

投資においても、決断無しには、投資は出来ない。

※T字戦法とは、前進する敵艦隊に対し味方の船を横向きに並べると、味方は艦船前後の主砲を使えるが、敵は前の主砲しか使えないため、味方に圧倒的有利な戦法をいう。

「強運」の裏にある源泉が、世界史に強烈な「歪み」を産んだ

日本海海戦での勝利は、単なる一国家の防衛に留まらなかった。この結果は世界を驚愕させ、日本海海戦の前と後では、世界の景色は一変した。それは、白人至上主義に支配されていた当時の世界史に強烈な「歪み」を生じさせ、世界中に独立への希望という光を与えた。実際に日露戦争以降、白人の支配を断ち切り民族自決を求める運動は世界各地、エジプト、ペルシャ、トルコ、アフガニスタン、アラビア等で巻き起こる。

この「歴史を動かす力」の源泉は、東郷元帥の「至誠」にあると思う。

東郷元帥の「至誠」とは、誠実さや真心を重んじる精神を指す。彼は「天は正義に与し、神は至誠に感ず」という名言を残し、誠実な行動が成功や勝利に繋がると信じていた。私のアジア駐在経験も、この世界の大変化の延長上で積み上げられたと考えると感慨深いものがある。

まとめ:勝利の神様に守られて

散策の締めくくりに、神宮前の閑静な住宅街を抜け、若い頃よく行った懐かしの「とんかつ まい泉」を横目に表参道へと向かった。娘の学校行事で何度も訪れたこの界隈は、私にとっての「日常のアセット」でもある。

原宿の最先端と、東郷神社の古き良き威厳。 変化を恐れず、しかし変わらない「至誠」の芯を持つ「勝利の神様」が見守るこの街は、これからも変化し続け、発展していくだろう。私もまた、自らの「運」を信じ、この資本主義という大海原を、東郷元帥の「Z旗」を心に掲げて航海し続けたい。

人生は賭けの部分から逃れられない。やってみなければわからない。しかし、至誠を尽くし、今持っている能力を活かして全力で「楽しむ」ことができれば、成功は予想もしない方向から飛んでくるはずだ。

東郷神社。ここは、勝利の定義を再認識させてくれる、私にとっての「無限の富の泉」の一つとなった。

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■著者プロフィール

著者:上岡 健司
AFP(日本ファイナンシャルプランナー協会認定)、宅地建物取引士資格合格
株式会社ユリウス代表取締役

中国・タイ・ベトナムなどアジア3カ国で10年以上の企業経営経験を持つ投資家・メディアオーナー。自社での不動産・金融資産運用を実践しながら、資本主義の構造を活用したライフスタイルを発信中。著書多数。

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